ラグビー報道に一言

ラグビー報道に一言

 

日本でラグビーのワールドカップが開催されている。そして、このラグビーの盛り上がりは素晴らしいが、新聞やテレビなどマスコミの報道がいまいち物足りない。何が物足りないかというと、ラグビーにおける身体的なことばかりを取り上げているからだ。やれスピードだ、やれパワーだ、また技術的なことにばかり偏っている。

ラグビーという競技は、イギリスで生まれ育ってきたが、身体的な鍛錬だけでなく人間を磨く側面のほうが大きいように思える。だから、ケンブリッジやオックスフォードを中心にイギリスの中等教育、高等教育の中でもラグビーは重んじられている。それは、精神的な面での効果を重視しているからであろう。チームワーク、チームでの役割の全う、弱者救済など人間教育としての意味が大きい。そこのところを忘れてのラグビーなど存在しない。

そう考えると、世界中の強豪が集まるワールドカップという舞台で、選手たちの人間性や社会での活躍などを報道しないのはなぜだろう。スポーツが身体的な戦いが中心でメンタルの大いに関係があることは理解しているが、スポーツを行なうことによって、人間性がどう変化していくかということも非常に大事なことである。それを報道しないと、スポーツのほんの一面しか伝えていないことになる。

スポーツと人間というのは大きなテーマであり、非常に大事なテーマでもあるので、スポーツ報道に関わっている人たちは、是非そこのところも伝えてもらいたいものである。